さて、先日 Google の HangOut は便利だと書きましたが、実は普通の電話機(固定、携帯とも)に対して、電話をかけることが可能です。
Google で課金をしておけば、格安で電話をかけることが可能なのですが、一つだけ問題が。電話番号を持っていないので、電話を受ける事が出来ないんですね。
で、電話番号がないから、電話番号の通知も出来ない。
知人に電話しても誰からだか分からないから受けてもらえないって事が起こります。
お店とか、会社宛の電話ならば問題ありませんから、そういったシーンでは利用可能です。
でもアメリカでは電話番号が貰えるんですね。
Google Voice と言うサービスで、私のブログでも過去に書かせていただいてます。ですから、日本でも電話番号を貰えれば、格安で通話できるぞという期待はありますよね?
既に HangOut を始め、 Skype とか、LINE電話とかもありますし。IP電話というものもあります。
となれば・・・ と思いたくもなりますが、私の感触では当面は実現しないだろうと思っています。
なぜならば、「電気通信事業法」というもので「電話」に対して色々と規制(というより品質保証といったほうが良いかも)があるからです。
電話の事業者は、電話がちゃんと繋がる様にしろということです。個々の端末(電話機)の故障は別にして、通話回線の故障率を一定の水準以下に保てとか、音域をこの範囲は保証しろとか、警察や消防署への通報ができる様にしろとか、音声の遅延も一定以下に保てとか。
私達が電話を利用する上で大切な規制です。
IP電話などもその制約を確保するために独自の回線を持って、ちゃんと繋がる様に、音声が遅れてまともに話ができなくならない様にと努力しています。
が、同時にその事が通話料を下げ難くしている要因でもあります。
重要な取り引きで、音声の遅延が酷くて、会話がかみ合わなかったら困りますものね。
過去の経緯から致し方がない話です。
でも友達とバカ話するのであれば、あまり気にならないことも多く、遅延が酷いとか、ノイズがひどければ、一度電話を切ってかけ直してみるなんて対処も出来ます。
となれば、通話料は安い方が良いに決まっています。
でも一気に1分で3〜4円の通話料にしたらどうなるでしょう?
今は携帯電話だと30秒で21円ですよね。
やっと、他社とも通話し放題で定額なんてサービスが出てきましたが、それでも簡単には太刀打ちできませんよね?
そうなると、電気通信事業法を盾に Google Voice の様な無料とまでも行かなくても、品質保証なしで格安の通話料といったサービスの展開は抵抗を受けるでしょう。
火事や緊急時に消防署や警察に電話できないのではやはり困りますしね。
今、「品質保証なし」と言いましたが、インターネットでは「ベストエフォート」と呼ばれる方式で成り立っています。これは極端に言えば「なるべくサービス低下を起こさない様頑張るけど、ダメでも諦めてね。通信の補償などできないよ」って方式なんですね。
だから、通信料が安く済んでいるんです。
昼間は動画が観れるけど、夜だと中断してばかり、と嘆く方は多いですが、元々通信速度などは保証されていないので、いくら自宅の回線が光回線で早いぞと言ったところで、混み合う時間帯は劇遅になります。
光回線が早いのは規格上の話で、実際の通信は End - To - End ですから、どこか一箇所でも遅ければ、その速度以上の速度は出ません。
「インターネット みんなで使えば 遅くなる」
って事ですね。
当面は米国の無料電話番号サービスで電話番号をもらって、それを使うしかありません。
日本への電話が、米国の電話番号から電話した方が安上がりって変な状況が今しばらく続きます。
コメント
コメントを投稿