スキップしてメイン コンテンツに移動

改訂版 Linux(Raspberry pi)で G-Mail を送信させる。

先日 Linux (Raspberry pi) で G-Mail を送信させる。という記事を書いたのですが、思った様に行かず、色々と再挑戦していました。
その後に ssmtp は使わなくても、Raspberry pi の標準である exim4 で出来ることが分かったのでそちらで設定したのですが、色々とハマったのできちんと整理しておこうと思います。

で、ここで分かったことの一つに GUI は使わないからと、安易に jessie lite を使ってはいけないと言う事です。
単に GUI 関連のユーティリティなどがインストールされていないだけではなく、かなりの機能がインストールされていない様です。
あまり悩みたくない方は、多少データ領域を喰いますが、素直に通常盤の jessie や NOOBS をインストールされた方が良いでしょう。

ではまずは今回の目標を。
1.外部へのメールは送信だけで、少なくとも今回は外部からのメール受信は設定しない。
2.外部へのメールは G-Mail のメールサーバーを利用する。
3.外部へのメールは発信者は G-Mail のメールアドレスとする。
4.サーバーの内部ユーザへのメールはひとまず現状通り root のメールに集めるが、それを通常利用しているユーザにリレーし、そこから外部へ送信する。
出来れば、どの内部ユーザに向けて送信したメールかわかると嬉しい。

先ずは、メールコマンドが使える様にします。

$ sudo apt-get install bsd-mailx

パッケージリストを読み込んでいます... 完了
依存関係ツリーを作成しています                
状態情報を読み取っています... 完了
以下の追加パッケージがインストールされます:



bsd-mailx (8.1.2-0.20141216cvs-2) を設定しています ...update-alternatives: /usr/bin/mailx (mailx) を提供するために自動モードで /usr/bin/bsd-mailx を使います
libc-bin (2.19-18+deb8u7) のトリガを処理しています ...
systemd (215-17+deb8u6) のトリガを処理しています ...



で、次がメール関連のユーティリティ

$ sudo apt-get install mailutils
パッケージリストを読み込んでいます... 完了
依存関係ツリーを作成しています                
状態情報を読み取っています... 完了
以下の追加パッケージがインストールされます:



update-alternatives: /usr/bin/readmsg (readmsg) を提供するために自動モードで /usr/bin/readmsg.mailutils を使います
update-alternatives: /usr/bin/dotlock (dotlock) を提供するために自動モードで /usr/bin/dotlock.mailutils を使います
libc-bin (2.19-18+deb8u7) のトリガを処理しています ...

後は設定になります。

$ sudo dpkg-reconfigure exim4-config 

最初の画面が MTAの使い方の選択ですが、以下のものを選択してください。

mail sent by smarthost; received via SMTP or fetchmail

次がシステムのドメイン名ですので、これはサーバーの名称が入力されているはずですのでそのまま 「.local」を追加してリターンしてください。

raspberrypi.local

で次がローカルのアドレスですのでそのままリターンで大丈夫。

127.0.0.1 ; ::1 


「メールを受け取るその他の宛先:」を

raspberrypi.local

「メールをリレーするマシン:」は空欄のままリターン。


そして、送信に利用する Google のサーバーの指定ですが、「::」とコロンが二つ必要です。注意してください。

smtp.gmail.com::587

その後も二つ続けて「No」を選択。
その次がメールボックスの選択ですが素直に

mbox format in /var/mail/

を選択すれば良いでしょう。

次は「No」で良いです。

root と postmaster のメール受信者:は「pi」を指定

で設定は終了します。

その後に「/etc/exim4/passwd.client」のファイルに以下を追記します。

gmail-smtp.l.google.com:あなたのメール@gmail.com:アプリケーションパスワード
*.google.com:あなたのメール@gmail.com:アプリケーションパスワード
smtp.gmail.com:あなたのメール@gmail.com:アプリケーションパスワード

送信に使う G-Mail のメールアドレスとそのアプリケーションパスワードです。
Google の アプリケーションパスワードは後ろを参照してください。

変更を反映させます。

$ sudo update-exim4.conf

これでひとまずは送信できるはずです。

$ date | mail -s "試験メール" あなたのメール@gmail.com

あなたの G-Mail にメールが届けがほぼ完成。

後は「/etc/aliases」が以下の様になっていると思うので、最後の2行を追記しましょう。
ユーザ「pi」はあなたが利用しているユーザIDに置き換えてください。

# /etc/aliases
mailer-daemon: postmaster
postmaster: root
nobody: root
hostmaster: root
usenet: root
news: root
webmaster: root
www: root
ftp: root
abuse: root
noc: root
security: root

root:  pi
pi:     あなたが転送先に指定したいメールアドレス

で同じ様に試験として

date | mail -s "試験メール1" root
date | mail -s "試験メール2" pi


それぞれのメールが上記の「あなたが転送先に指定したいメールアドレス」に転送されます。
メール送信者のメールアドレスは /etc/exim4/passwd.client で指定したメールです。
で、送信先が root@ホスト名.local となり、BCC: として /etc/aliases で指定した転送先にメールが転送されます。






アプリ用のパスワードを取得しましょう。
 既に Google のメールをお持ちでそれを利用する方もアプリ用のパスワードを取得しておく必要があります。
 G-Mail の取得方は見ればわかるレベルですので割愛します。

アプリ用のパスワードは、G-Mail にログインしてアカウント情報から「ログインとセキュリティ」を選択します。



そして右下の「アプリパスワード」に進みます。



で、「生成」ボタンを押すと、



となって、アプリ用のパスワードが生成されるので、これをひとまずメモしておきます。

コメント

このブログの人気の投稿

iPhone を日常使う上での注意(ちょっとした不具合を解消するには)リセットの仕方

先日は バックアップの重要性 について書きましたが、今日は日常の注意を書いて見たいと思います。 まずは充電の方法から。 皆さん、充電時にはどんなことに注意していますか? 充電は、できるだけバッテリーを使い切るぐらいまで行わず、できれば80〜90%で終了させましょう・・・・なんてやっていませんか? 以前にも 充電について 書きましたが、基本的には「気にする事は無い!」です。 好きな時に充電をし、好きな時に終えれば良いです。 上記の注意は「ニッケル系」のバッテリー、つまり市販の単三型などの充電式バッテリーについての注意です。昔はニッケルカドミウム、今ではニッケル水素のバッテリーですね。 これは、時々リフレッシュさせる必要があります(昔の人工衛星も年に2回ほどリフレッシュ運用というものを行っていました)。 しかし、現在携帯電話に使用しているリチウムイオン系のバッテリーでは其の様な事は必要ありません。 と言うより、ニッケル系の様なリフレッシュ運用はかえってバッテリーの寿命を縮める(充放電回数を無意味に増やす)だけです。 バッテリー一般の注意である、充電中に熱を持たない様に注意する(寝る時に布団や枕に覆われた状態で充電するなど)こと、電子機器一般の注意である日向や暖房機の前に放置しない、などを守れば十分です。 何故かは良く分かりませんが、昔の iOS では充電時のマークが、稲妻マーク(充電中)とプラグマーク(充電器に接続されているが充電はされていない:充電は終了している)に分かれていました。 今は同じ稲妻マークだけですが、ひょっとしたらプラグマークになるとあわてて充電器から外そうとする人がいるのを懸念しての仕様変更かもしれません。 基本的に「充電器に接続されている」「Wi-Fi に接続されている」「スリープ状態にある」という三つの条件を満たしていれば、1日に一回「iCloud による自動バックアップ」が実行されます。 一番条件の揃いやすいのは就寝時ですよね? つまり少なくとも寝る前に充電を開始して、朝まで放置しましょうというのがアップルの考え方。その間にバックアップしておきますよという事ですね。 さてその寝る前にあなたは何かしていますか? 私はほぼ毎日、寝る前には動作しているアプリを全て終了させています。 「 何のため? 」それは

スマホの充電

今までも時々 充電に関する話 を書いておりますが、仕事の関係でちょっと調べ物をしていて、そのまま横道に逸れて(内緒ね)人工衛星のバッテリー設計の話をちょこっと摘んできました。 その中で、「放電深度」の話があって、ちょっと面白いので簡単に紹介しようと思います。 新品のリチウムイオンバッテリーがあるとしてその容量を分かりやすく1000mA/h とします。 100%充電されていたとして、そのバッテリーから1000mAの電気を取り出した時が100%、 500mAだけ取り出した時は 50% 、そして300mAしか取り出さなければ 30% を「放電深度」と言います。 よく言われるのは「 80% から 20% まで使って、また 80% まで充電するのが最も良い」と言うものですが、これは 前のブログ で間違っているよと言いました。 80% から 20% ならば 0.6 回利用した計算だよと。 で、最終的に何回充電出来るかは決まっていると書いたのですが、これが間違っていました。 これが放電深度100%では最も回数が少なく、放電深度を50%に(つまり 100% から 50% の間で充放電を繰り返す)と回数的には3倍以上の回数、つまり寿命が3倍以上になるとの 報告 などがあります。 さらに 30% に抑えるとさらに伸びます。 色々調べるとそれが当たり前の様です。 静止衛星の場合でも1日に一回充放電を繰り返すわけですが、周回の人口衛星だと1日に数回地球を回るので、充電期間(昼間上空を通過する時)と放電期間(夜間上空を通過する時)が1日に数回あるわけです。 そんな中で設計時の放電深度は25%程度で設計されている様です。 つまり、放電期間を終了して充電開始時に 75% 以上あって、充電期間を終了する時には100% まで充電されている。 もちろんその間地球観測の観測機械がフル稼働(特に光学観測の場合は昼間が観測時間帯です)してますから、もろに充電しながら使っている状態です。 スマホで「バッテリーが 75%に減ったら、即充電器に繋いで充電しながら使う」って言ったら「バカか! バッテリーがダメになるぞ」って脅されますよね。 でも人工衛星ではそれが常識みたい。 むしろバッテリーを少しでも長持ちさせるためにはその様にすべきの様です。 確か

Apple ID の変更方法

2017/06/10 :追記 Apple ID の変更方法が変更されました。 以下の最新情報をご確認下さい。 アップルIDの変更 Apple ID をキャリアのメールアドレスなどで作成し、その後にキャリアのメールアドレスを変更してしまい、困っている方が多い様です。 皆さん Apple ID に利用しているメールアドレスを変更すれば、iPhone に使用している Apple ID のメールアドレスも自動的に変更されるものと、勘違いしている様に思います。 また、Apple ID はキャリアのものと勘違いしているのか、キャリアを変更したのだから、Apple ID もそのまま、次のキャリアメールのアドレスになると思っている方も、おられるようです。 Apple ID はあくまでもAppleが発行するIDです。 キャリアとは無関係で、キャリアにそのIDに関する情報が渡ることもありませんし、キャリアの情報がAppleに渡ることもありません。 IDに使用するメールアドレスを変更したいのであれば、自分でAppleのウェブサイトで手続きする必要があります。 https://appleid.apple.com/ja_JP にアクセスすると、「Apple ID を管理」というボタンがあります。 そこで、現在の(あるいは勝手に変更してしまう以前の)メールアドレスでログインし、手続きをします。 ここで、新しく利用したいメールアドレスを追加すると、本人確認のメールがそのメールに届くので、メールに記載されているURLにアクセスすると、承認されます。 メールアドレスが承認されると、そのメールアドレスをIDに登録し直せます。 最終的にIDのメールアドレス変更直前に、iPhone(該当 iOS 機器やMac 全て)の iCloud と iTunes & App Store から一度ログアウトしてください。 その際に、iPhone にデータを残す必要はありません。 新しいメールアドレスの ID でログインすればまた同期されてデータが戻ります。 残してしまうと、再同期の際に間違ってマージしてしまい、データが二重登録される可能性があります。 もっとも再同期の際に間違えて、iPhone の(何もない)データで、iCloud を上書きすると、全てのデ

「iCloud では全てがバックアップ出来ない」という大誤解

iOS デバイスのバックアップについて ということで以下にアップルの公式サイトがあります。 https://support.apple.com/ja-jp/HT204136 ここには 【iTunes バックアップでは、デバイスのほぼすべてのデータと設定情報がバックアップされます。】 と 【iCloud バックアップでは、デバイスに保存されているほぼすべてのデータと設定情報がバックアップされます。】 と書かれてます。 「 デバイスのほぼすべてのデータ」と「 デバイス に保存されている ほぼすべてのデータ」の違いはなんだろうってツッコミは置いておいて、その後ろにはバックアップの対象外となる物が並んでます。 iTunes では「 iTunes から同期したコンテンツ (読み込んだ MP3 や CD、ビデオ、ブック、写真など)」が同期の対象外。 iCloud では「ほかのクラウドサービス (Gmail、Exchange メールなど) で保管されているデータ」が対象外。 その他には、 「iTunes Store および App Store から入手したコンテンツ、または iBooks に直接ダウンロードした PDF (このコンテンツは iTunes で「購入した項目を転送」を使ってバックアップできます。)」 とか 「iCloud ミュージックライブラリおよび App Store のコンテンツ (すでに購入済みのコンテンツは、iTunes Store、App Store、または iBooks Store で取り扱い継続中であれば、タップして再ダウンロードできます。)」 とあって、微妙な表現の違いはありますが、まぁ実用上は同じと考えて良さそうですよね。

データを失いたくなければ。

iPhone を安全に使うという意識が薄い方が多いようなので、私なりの考え方などを書いてみたいと思います。 先ずは iPhone に限らずスマートフォンを含む小型の電子機器に使用されているメモリーですが、 SD メモリーカードなども含めそんなに丈夫なものとは思ってません。 一寸した拍子にデータを失なう事は珍しくないでしょう。 ましてや落下の衝撃とか、水没で壊したらひとたまりもありません。 SD メモリーカードならば取出せますので、何とかデータを取り出せる可能性はありますが、 100% では有りません。 良く「 iPhone には大事な子供の写真が」等と言いながら、その大事なデータを iPhone にしか保存していない人は多いですね。 幸運にもデータを失くなう事なく2年経って機種変更しようとして始めて「データは引継げますか?」って、機械なんですから一生同じ本体を使うつもりだったの? って聞きたくなります。 連絡先とか、カレンダーとかも同じ事。 機種変したらとか、壊れたらとかは考え無いのですかね? データは大事だからこそ、その保護は真面目に考えないといけないのではないでしょうか? 仕事柄データの損失事故は結構経験しています。 その毎にバックアップの必要性とありがたみを実感します。 スーパコンピューターに使用されている、高性能なデータ保護機能を備えたハードディスクでさえデータが飛んだ経験をしています。 ましてやせいぜい10万円やそこらの価格の記憶装置の信頼性なんてたかが知れていると思いませんか? ですから大事なデータは2ヶ所以上の場所に保管する事が必要です。 その手法として基本となるのが、バックアップと同期です。 この2つの異いを理解していない人も多いですね。 さて、先ずは バックアップ の話から。 iPhone のバックアップはちょっと特殊です。 iPhone の中味をひと塊としてしか扱えません。 写真だけ取り出すとかは出来ない 仕組みです。 これは私の想像でしかありませんが、著作権の保護を考えての処置かなと思っています。 音楽等を勝手に取り出して違法コピー出来ない仕組みになってますね。 で、バックアップはパソコン無しでも出来る iCloud でのバックアップとパソコンの iTunes を使用する2つの方